妄想工場 FJ-ENGINEERING

静止画的なスピードで

相も変わらず中毒症状、脱線状態が続いております。。。
近頃、黒いペンタを見かけると、どうしても連れて帰りたくなってしまいます。。。
この時代のペンタの黒には、ヴィンテージバイクの黒塗装に通じるものを感じます。角や底、擦れて剥がれた塗膜の下に真鍮メッキが覗き、その黒金のコントラストがまたなんとも良い雰囲気を出しています。
実は、かれこれ一年以上トラに乗っていません。特に意識して乗らなくなった訳ではありませんが、これも以前の事故の後遺症なんでしょうか、、、正直認めたくはないのですが、無意識のうちバイクに乗ることが怖くなっているのかも知れません。。。この時代のカメラ、布幕式フォーカルプレーンと云い2枚の幕の移動の時間差でシャッターが開きフィルムを感光させる仕組みになっています。その”間合い”が所謂シャッタースピード。

今の僕にとって古い銀塩カメラがバイクなんだと思います。巻き上げはキックスタート。手の中を走るスピード。低速時のガバナーの唸りは一速で引っ張る感じで、ファインダー内で不安定に上下する露出計の針がスピードメーター。絞りのアクセル戻してシフトアップ、1/125, 1/250 ,1/500・・・

確実に本来の使い方を逸脱していますが、まぁこんな楽しみ方もあっていいのかなぁ、と、、、

ジャンクカメラ中毒者

結局、例のＳ２はバラすだけバラして終了しました。。。そうしたら、不思議なもので次々に破壊志願者が集まってきてしまいました。。。
オールドレンズはデジカメで気軽に利用できるからまだしも、本当に銀塩カメラ直して使いたいのか、と云われると、別段フィルムで撮りたい被写体がある訳でもなく、ならなんの為にとも思うのですがどうにも止まりません。これを立派な”中毒”と云うのだと思います。
今まで知らなかった世界を知るのは楽しいものです。とくにカメラ系の専門用語は古風で理系な言語が多く新鮮です。由緒正しいお店ではジャンクとは呼ばずに研究用とか、、、
”露出Kが狂っている”なんて普通の人が聞いたらいったいどんな乱痴気騒ぎなんだ、と（笑
今から約4、50年前のカメラ、とっくに寿命は尽きていそうに考えがちですが、実際に中身を開けてみるとギア類に目だった磨耗なんて皆無。油注せばだいたい回り始めてしまいます。
露出Kセーフな個体へプリズム入れ替え2個イチ作戦で、どうもSPが復活したようです。
フィルムを入れてふと気付くこと、、、カメラより現像代の方が高い、という事実（笑

この時代のカメラの精巧な機械仕掛け、当時の日本の技術力の結晶なんだと思います。

スーパー破壊工作

夜な夜なS２を破滅へと追い込んでいます。。。
カニ目ネジ逆ネジ勝手に疑惑で正ネジを壊し、タブーとされるミラー拭きで蒸着メッキ剥がし、もう好き放題やらせていただいています。勢いで飛ばしてしまった小バネ、部屋中いくら探しても見つかりません（涙　レストアには程遠い、ただの破壊行為・・・
このまま戻し少し大きなレンズキャップにでもするかなぁ・・・それとももっと破壊したろかな。

ネジを外す度、次はどこが外れるかワクワクします。それは山岳渓流の釣り上がりで、あのカーブの先、この堤の先はどうなってるんだろう、というときの気持ちにも似ている気がします。
度々引き返し地点を見失いがちな部分も含め・・・
取り出した一眼レフの脳”ペンタプリズム”部　プレデターも電気羊の夢、見るのかなぁ・・・
（こっちの脳内SF系）

S2がおまけ

SPが寂しそうだったので仲間を連れてきました。。。
出先の帰りみち、ふらっと立ち寄ったリサイクル店にスーパータクマー５５ｍｍ ｆ２が付いたこの状態で転がっていました。タバコ3箱程の申し訳ない価格です。ASAHI PENTAX S2と云ってSPより若干古いモデルのようで、こちらは完全な機械式だそうです。
で、早速メイン？のレンズを分解掃除しました。カビだらけのレンズ、酸化したグリスやらが至るところ付着してとにかく汚れが酷いものでした。。。
絞りのリンク系とかメカ的な部分はガラスに比べると気を使わないでいいので楽です。古い油汚れをバイク用のブレーキクリーンでじゃーっと一掃してから、旋盤用のスピンドル油とジッポーオイルの混合したものを適宜注油しました。
今回は絞り羽根も全バラして掃除しました。一箇所サビが残っているのはご愛嬌で。
ken-sukeさんオススメのオリンパスクリーナー、揮発が抜群にスムーズで使い易いです。
ひとまずおまけ？は無事復活しました。しかしこの時代のタクマーレンズって素敵ですね。。。
シンプルな構造で分解し易いこともさることながら、合金製の鏡胴のひんやりした感覚、ヘリコロイドの絶妙な重さ、アルマイトの強さ、とどれをとっても一級のものだと感じます。

拭き村の迷人

レンズのカビ取りにチャレンジしてみました。。。
クランケはSMC TAKUMAR　55mm ｆ1.8、こんなアメーバ調のカビが生えています。
こうして見ると、レンズのカビも案外”王蟲”みたいで可愛いかも（笑
先週の50ｍｍ f1.4版のヘリコロイド調整は精神的余裕が一切無く、写真も撮っていられませんでした。ただ、散々組み立て＆バラシをしたお陰で、この辺はすいすいです。このイス足キャップ、ほんと使えます。
手前のネジ外すとフィルタ枠が外れる構造。こっちの造りの方がいいような気がするなぁ、、、
前玉群はゴム巻いて手でひねれば外れます。暫定ノギスもこのモデルでは使い易いです。
一番前だけがこの状況で後は綺麗なものでした、が・・・実はここからが結構大変。色々なサイト、文献を参考にお湯と中性洗剤でカビはすんなり落ちるのですが、何遍拭いても拭きムラが取れません。一つ一つのレンズは大丈夫そうに見えても、いざ組み合わせると拭きムラが目立ち、、、拭いては組み、気になってまたバラしては拭いて組んで・・・ただ拭くだけのことがこんなにも難しいとは！
M沼の先にはおっかない拭き村が・・・こっちもかな～り深そうです（汗”

メカニカル玩具

今頃秋鮭は川を遡ってるんだろうなぁ、、、この際僕も銀塩まで遡ってみようかな、と、、、
ASAHI PENTAX SPのジャンクを入手いたしました。テッペン尖ってますね。
日本の工業製品が世界を席巻しはじめた頃、古き良き昭和の銀塩一眼レフの名機。
ま、この機種が発売された年だと、僕はまだ生まれてはいないんですけどね（笑
実は先週一週間、毎晩深夜までSMC Takumar 50mm f1.4のヘリコロイドと格闘していました。バラすときに勢いで全バラにしてしまったが為に位置関係があやふやになり、ピント環が指定の位置まで回りきらなかったのです。もう何遍組みなおししたことか・・・結局ヘリコロイドの回転止めピンを逆さまにしていた、というお粗末なオチだったのですが、それもこれも自分でやってみて判ったこと。2mmくらい成長（退化）したような気がいたします。
まだ無限遠の調整は終了していないのですが、正直初めての全バラでやり方も良く判らず方々調べていたところ、どうも銀塩の一眼レフが入り用とのこと。どうせならPENTAXにしよう、と思い立ち、でコレ。
レンズのみならずカメラ本体までもこの価格・・・そもそも無限遠の件+オブジェ程度に考えていたのですが、持ち帰って恐る恐るシャッターを切ってみたら、あれあれミラーアップの美しい機械音が！シャッタースピードも効いているようだし、裏蓋の密閉上げれば何気に撮れちゃうんじゃないのかしら、、、いゃ、やっぱり分解してペンタプリズム拝んでみたいような、、、
といった具合に、だんだんあさっての方向へと進んで参りました・・・
もうカメラ＆オールドレンズくくりで新カテゴリ作ってしまおうか、と真剣に考えておりマス！

イエナの翼～舶来レンズのリスク

M42熱が止まりません。とうとう舶来モノにまで触手を伸ばしはじめ・・・
Carl Zeiss Jena DDR（カール・ツァイス・イエナ・東ドイツ）のレンズを２つ輸入しました。一つはpancolar　50ｍｍ f1.8、もう一つは今届いたばかりのtessar 50ｍｍ ｆ2.8です。
２つとも所謂”ゼブラ”柄というもの。レトロなルックスに興味をそそられ輸入に踏み切った訳ですが、上のtessarも前玉の傷や中も汚れがそこそこで、やはり見て、触って買っている訳ではないのでそれなりのリスクは伴います。pancolarも事前の説明でコンディション良好のはずが、到着してみれば絞り羽根固着、という始末。これがヴィンテージリールだったら”ウェルカム状態”なんですが、光学系は流石に怖かった・・・
最近集めた国産ジャンクレンズですら、どう分解掃除するか調べていた最中だったのに、まさか最初に分解するのがZeissになろうとは・・・でも、やってみると案外恐るるに足らず、かもです。裏ブタ外したら一旦後玉群を抜き出しておいて、リンケージ類の構造とにらめっこ。可動部をちょこまか動かしながら無水エタノールを綿棒にしみこませ、羽根に何遍も何遍もまわしてじっくりやったら若干渋めですが絞りが動くようになりました。要は古い油の固着だったんでしょうね、、、
で、tessarもいきなりお玉のお掃除へ。後玉の抜き出しはカニ目レンチ代わりに暫定ノギスでいってみました。（コレ、あまりオススメできるやりかたじゃないデス！）
端の方のもやもやして見えたところが所謂バルサム切れってやつかなぁ、と思ったらただの汚れだったようで普通に綺麗になりました。それにしてもtessar型ってシンプルなレンズ構成ですね、、、前玉の傷は厳しそうですが、これで後玉の汚れはひとまず解消です。だんけ、しぇーん！

そんなこんなで、とにかくM42レンズに夢中な日々。新たな趣味になりつつあるようです。

そしてM42大星雲へ

M沼化が深刻です。とうとう魔法のリングまで手に入れてしまいました、、、
その名も「マウントアダプターK」。M42マウントレンズをKマウントへ換装するためのアダプターです。このリングを介してペンタックスのKマウント以外の、それこそ大星雲とも云われる無数のM42マウント群のレンズ達を換装できるようになります。
こんな感じにマウントに装着し、スクリュー式のレンズをねじ込むって算段。このリングがあれば、3,40年前のレンズが現代のデジタルで蘇るって、何気に凄いことですよね・・・

ちなみに土台はギターエフェクターの"cry baby" ワウ・ペダルです。高校生の頃愛用していました。約20年振りのご対面？こいつもこの際蘇らせてやろうかな、と。。。

実は今日は久々にバンド練習の予定だったのですが、急遽メンバーの体調不調でキャンセルになってしまいました。時間もぽっかり浮いたので、懲りずに中古カメラ店へと・・・
で、発掘したのがアトムレンズの名玉、50mm f1.4 の新古系ジャンクが2000円とか・・・
という訳でM沼化は益々進み、己の方向性も見失いつつある今日この頃です。

M沼の入り口

近頃、遅ればせながらレンズの世界が面白いことに気付きました。。。
夏にペンタのK-01と云うミラーレスを入手以降、その傾向が顕著になっています。カメラ、拘ってそうで実はそこまで拘りはありません。今のデジカメに昔のマニュアルレンズが装着できることすら知りませんでした。お気に入りは30年程前のSMC Mレンズ。ルックスも好みです。
勿論中古を探す訳ですが、価格設定が少し変です。タマ数が多いのか余程人気がないのか、この40-80mmなんてジャンク扱いで1050円でした。ジャンクといっても、筒に少々溶けたゴムが張り付いていたくらいのものです。この重厚なメタルの塊が1050円だなんて！！
1050円で昨日撮った一枚。トランペットのように前後移動でピントを合わす行為も面白い、、、
1050円でさっき撮った一枚。いつもの感じですね。D系（デジタル）より少し柔らかい印象？
オールドのようで玩具のようなボテッとしたK-01のボデーにもMレンズは似合うと思います。

中古レンズ収集って”宝探し”の感覚なんでしょうね。。。自分だけの極上のタマ探し、、、
それはヴィンテージリール収集にも通じるものですが、こちらはより身近なテリトリーにゴロゴロと転がってるだけに、少々危険な香りがして参りました・・・